スズキ美容室50周年&グレープス1周年記念イベント・レポート

スズキ美容室の創業50周年と、姉妹店・美容室グレープスの1周年を記念して開かれた記念講演会+食事会+ファッションショーのレポート。
「料亭でのお祝い事にあうファッションショー」は、会場の飯田の老舗料亭「舞鶴」を舞台に本物の着物の美しさを、存分に楽しんでいただきました。
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Ε好坤美容室50周年+グレープス1周年記念イベント・リポート
JUGEMテーマ:ヘアケア
スズキ美容室50周年+グレープス1周年記念イベントのファッションショーと並ぶメインイベントは、記念講演会でした。

講師の先生は、テレビや雑誌のお髪の悩み相談でもおなじみ、日本の毛髪科学、そして理論的ヘアケアのアドバイザーとして、日本の美容界をリードしてこられた、八木原陽一先生を東京よりお招きしました。



記念講演会 「髪と体の健康と食べ物
講師 八木原陽一先生 (全国美容・理容学校連盟アカデミックアドバイザー、公益法人・日本毛髪科学協会前理事)

八木原先生は、東京薬科大出身の薬剤師で、数十年前にいち早く、毛髪科学・美容科学研究の先進国フランスのマルセル・コンチェ学院で学ばれました。大門一夫氏とともに日本の毛髪科学、美容理論の啓蒙のパイオニアとして著名です。

また、長年にわたり美容学校で教鞭をとられてきた経緯もあり、「公益法人・日本毛髪科学協会」では、皮膚科学会の医師と、美容師、理容師の間をつなぐ重要な役割を果たしてこられました。



この講演では、毛髪関連の話題ほか、八木原先生が得意とされている、サプリメントの摂取の仕方や、その功罪などの分野にも話が及びました。
「食べ物と健康」についての分野では、特にご参加のお客様との質疑応答も盛り上がりました。

特定のサプリメント(栄養)を摂り過ぎると脱毛が起きる。など、「目からうろこ」の、お客様もびっくりのお話もありました。


八木原先生の近著「毛髪の科学と診断」
Q&A方式で、毛髪に関する話題がわかりやすく解説されています。
「副作用として脱毛の記載がある(脱毛の原因となる)薬剤」のリストも、バッチリ掲載されています。

「賢い消費者になれ」
最後に、これまで、大企業製の商品であっても「良くないものは良くない」と、はっきりと論評をされてきた、八木原先生から、この講演にいらっしゃったお客様へ贈られたメッセージは、「賢い消費者であれ。」というものでした。

(その意味は、ものごとの基準があいまいで、どうしてもイメージ先行の消費行動に陥ってしまいがちな、美容・健康食品・化粧品の分野でも、冷静で、確かな価値判断のできる目を養って、豊かな生活を送りましょう、ということです。) 

そして、当店に対しては、(僭越ながら)
「メーカー、美容室にとっては都合の悪い情報を含め、お客様の立場に立って「正しい情報」を伝えるよう努め、学習をしている」との評価をいただきました。
これは、私たちにとっては何よりの喜びでした。

遠路、厳冬の信州まで、足を運んでいただいた八木原先生にお礼申し上げます。




さて、いま、この八木原先生の公演会から、早くも一年になろうとしています。

●当時は、「シリコンorノンシリコン?」なんていう話題で持ちきりだった美容業界ですが、いまでは、何事もなかったようにその熱は冷めつつあります。
シリコーンの素材そのものを否定するような、無謀な煽りは、治まってよかったと思います。

しかし、今度は逆に、シリコーンによる弊害が全くなかったかのような論調が幅を利かせていることには、首をかしげざるを得ません。

火のないところに煙は立たずです。
シリコーンは、その効果効能が優れていればこその弊害も、当然、ありました。

美容室関係では、シリコーンを過剰に使った一部の施術(ストレート)やヘアケアによる弊害(吸着力が強すぎてオフできない。など)があったことは事実です。
また、市販品(パブリック商品)については、アイテムの用途かまわず「何でもかんでもシリコーン頼み」としか思えないような、無節操に配合されたシリコーンによって起こっている弊害も事実です。※1


●さて、この一連のシリコーン騒動でもわかるように、ここ最近の、高度に成熟しつつあるインターネット社会や各メディア上で錯綜する情報量はおびただしく、それらに無防備にさらされている消費者は、戸惑うばかりです。

そんななかで「諜報活動バリの情報戦略」に多額の広告費を割いている企業もあるという噂です。

私たち美容室関係者も含めた消費者が「賢い消費者」であることが、大変難しい時代に入ってきていることは間違いないようです。
ネット上の情報をはじめ、一般メディアの情報ですら、その情報が「ニュートラルなもの」なのか、「ひも付きの情報」なのかを正しく精査することは、大変に難しい状況です。

いま、まさにこんな状況だからこそ、サイバーメディアの中にも、「独立した(ひも付きでない)」「モノ言う」科学者、そして、心あるジャーナリストが登場されることを期待してしまいます。


※1 
このテーマについて、かつて、日本を代表するヘアケア+ケミカルメーカーの現役の研究者から、公の場(日本毛髪科学協会のセミナー)でお話を伺う機会がありました。
(なお、そのメーカーは、ヘアケア商品を市販品(パブリック商品)、美容室専売品(プロ用商品)ともに製造販売されていました。)

このテーマについての答えは、端的にいえば、「消費者のニーズである」ということでした。

つまり、市販品に求められるものは、たとえば、それが本来、「洗浄」を目的とするシャンプーであっても、消費者からは、(洗浄機能よりも)仕上がりの良さ、手触りを絶対的に求められるから、そのような設計になる。そして、それは、消費者テストをもとに判断している。
たとえそれが、シャンプーというアイテムの本来の合理的な姿でなくても、ライバルメーカーとの競争上からも、そのような商品設計にならざるを得ない。

一方のサロン専売品は、本来のアイテムの目的に沿って、美容師が個々のケースに応じて、コントロールして使用できるよう設計されている。
美容室専売品のシャンプーであれば、「洗浄」という目的、機能、正しい使用方法を消費者に啓蒙してたうえで、使用してもらうよう設計されている。仕上がりや、手触りは、「コンディショナー」、「トリートメント」など別のアイテムの役割となる。ということでした。

まず、この会見の際のこのメーカーの研究者の対応、受け答えが大変真摯で、話の内容も的を得ていて、わかりやすく、好感が持てたことを記憶しています。

そして、このことからわかることは、ヘアケア製品に限らず、市販の商品のレベルは、私たち消費者の意識のレベルに比例したものなのではないかということです。
消費者としてのレベルを上げることが、かならず、商品の良化、進歩につながる。ということも、私たちはぜひ知っておかなくてはいけないのでしょう。

●最後に、日本を代表する大手上場企業でありながら、フェアで開かれた対応をしてくださったこのメーカー関係者に敬意を表します。

これは余談になりますが、このメーカーには、会社の歴史をつづった博物館があります。
そこには、日本に石鹸が初めて輸入されて以来の、界面活性剤の進化の歴史が記されています。
前出の研究者氏をはじめとする、このケミカルメーカーの日本を代表する精鋭開発者の方々には、「歴史の記録」に新たに書き加えられるような「世界に通用する、新時代の界面活性剤(高級アルコール系に代わる)の発明」を期待してやみません。

<グレープス店長 鈴木>
 

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